イケメン総長は、姫を一途に護りたい

「明日熱が下がったら、久々にいっしょに学校に行こう。だから、それまではまだ安静にな」

「うんっ。ありがとう」


千隼くんは、横になるわたしの頭を撫でてくれた。


――そのとき。

千隼くんのスマホが鳴った。


画面には、ヒロトくんの名前が表示されている。

どうやら、着信のようだ。


〈もしもし?〉


何気なく電話に出る千隼くん。


ヒロトくんのことだから、『今日はアジトにこないんすか〜?』みたいな、そんな内容だと思っていた。


だけど、スマホを耳にあてる千隼くんの表情が、どんどん険しくなっていって――。


〈『蛇覇(ジャハ)』が…!?それは、本当なんだろうな!?〉


血相を変えて、千隼くんが立ち上がった。



千隼くんが口にした、…『蛇覇』。


最近よく耳にするから、わたしも名前だけは知っている。