その言葉に、わたしはギュッとつむっていた目を開ける。


今…、わたしは千隼くんのものだって…言ってくれた…?


「棒倒しのとき、僕は咲姫を守れなかった。お前が間に入らなかったら、咲姫はケガどころではすまなかっただろう。僕が咲姫を守る資格はないよ」

「…二階堂」

「そもそも、あの勝負だってそうだ。…お前、わざと負けただろう?」


…えっ!

千隼くんが負けるわけないと思っていたけど、…あれはわざとだったの!?


「僕が気づいてないとでも思っていたか?…あのとき、お前がなにを考えていたかなんて知ったことではない。屈辱的な勝ちだったとしても、僕は咲姫を手に入れたかった」


光さん…、そうまでしてわたしことを。



「咲姫の気持ちが、お前にしか向いていないことは知っていた。だからこそ、僕に振り向かせたかった」