だからこそ、目が離せなくて。


自分のことよりも、周りのために動いて。

だれにでも優しくて、笑顔がかわいくて。



そんなとき、慧流座の初代総長の慧さんが、突然俺の前に現れた。

そして、「娘の咲姫の用心棒をしてほしい」と頼まれた。


慧さんに紹介される前に、偶然にも咲姫とぶつかって再会したけど、咲姫は俺にまったく気づかなかった。


だけど俺は、昔と変わらない咲姫を見て、これまで募っていた想いが溢れ出した。

むちゃくちゃに愛してやりたいって。


でも、俺も人見知りだから、再会した咲姫に初めはどう接していいのかわからなかった。


慧さんに頼まれたから、咲姫を守るという使命はあった。


それが咲姫と過ごすうちに、徐々にそれ以上の感情に変わっていって…。


だれにも渡したくない、『俺だけの咲姫』という存在になった。