イケメン総長は、姫を一途に護りたい

だから、それに気づかないなんてバカなんじゃないかと、カオルくんは言いたいらしい。



「それに、前に千隼が言ってた。昔、転校したコのことが、今でも好きだって」


…昔、転校したコ。

それって、もしかして…わたし?


「いじめられてるのをよく助けたけど、転校先では大丈夫だろうかってずっと心配してたって」


わたしが困っているとき、何度も助けてもらった記憶がある。

離れてからも、千隼くんはそんなことを考えてくれていたんだ…。


「これで、千隼が咲姫を守りたい理由がわかった?」


ニヤリと微笑むカオルくん。


つまり千隼くんは、お父さんに頼まれて仕方なくわたしを守っているのではなく…。

わたしのことが、…“好き”だから?


「明日の亜麗朱の総長との勝負だって、そうだよ。惚れた女を守るためなら、千隼は戦うに決まってんだろ」