イケメン総長は、姫を一途に護りたい

「それはもちろん、千隼くんだけど…。でも、勝ち負けとかじゃなくて、他に解決できる方法はないのかなって…」


でも、いくら考えてもなにも思い浮かばなかった。


俯くわたしを見て、カオルくんは言葉をかける。


「咲姫は、甘いよ」

「…え?」

「だってオレら、暴走族だぞ?地位も名誉も、手に入れたいものは自分の手で奪いにいく。それは、惚れた女だって同じこと」


『惚れた女』…。

それって、わたしのこと…でいいんだよね?


二階堂さんには、『惚れ込んでいる』と言われた。

…でも、千隼くんに言われたことはない。


いつも熱くわたしを守ってくれて、時には優しく接してくれるけど…。


「千隼くんは、わたしを守るように、お父さんから頼まれているだけだから…」


わたしは、慧流座の総長としてのかっこいい千隼くん――。