イケメン総長は、姫を一途に護りたい

…『ついでに』って。

それで、わたしは心臓が飛び出すくらい驚いてしまったけど…。


でもそのおかげで、カオルくんが女の子だと知ることができて、なんだか話しやすくなったのも事実。



「…それで、カオルくんはどうしてわたしのことを探してたの?」

「ああ、千隼からの伝言を預かってて」

「…千隼くんから!?」

「『少し考えたいことがあるから、今日は帰れない』って、謝ってた」


どうやら、今日は慧流座のアジトで一晩過ごすらしい。

連絡がなくて心配したけど、危ないことに巻き込まれているわけじゃないのなら…よかった。


でも、千隼くんが一晩わたしのそばを離れるのは、今日が初めてのことだ。


カオルくんは、二階堂さんとの勝負のことを聞かされているんだそう。


「咲姫は、どっちに勝ってほしいんだ?」