メンバーと亜麗朱を守るため、辛くても苦しくても今は1人で耐えるしかないと、二階堂さんはわたしに話した。



「だから、僕が今こんなことになっていることは…。緒方にも…言わないでほしいんだ」


ライバルだからこそ、敵に弱い姿は見せられない。

情けもかけられたくないと。


「二階堂さんがこんなにも苦しんでるっていうのに、そんなこと…だれにも話しません!」

「ありがとう、楡野さん。もう…キミしか頼れる人はいなくて」

「わたしでよければ、遠慮せずに頼ってください」


わたしがそう言ってみせると、なぜか二階堂さんの目が潤む。

そして、溢れた涙が頬を伝うのが見えた。


「…急にどうしたんですか!?どこか、苦しいですか…!?」

「…いや、違うんだっ」


二階堂さんは、大丈夫だと手で合図を送ってくれるが、目元は抑えたままだ。