イケメン総長は、姫を一途に護りたい

でもたまに、暴走族との抗争で姿を消す千隼くんを見て、とてつもなく不安になるときがある。


『もう無茶なんかしない。ヤバイって思ったら引き返す。笑われたっていい。それで咲姫が、こんな顔しなくて済むのなら』


前に、千隼くんはこう言ってくれた。


でも、わたしを全力で守ってくれる千隼くんなら、同じく慧流座のことだって、命をかけて守るような気がして。



そのあと、部屋で過ごしていたけど、二階堂さんのことが頭の中から離れなかった。


もし、部屋で体調が急変していたらどうしようっ…。


よくないことばかり考えてしまう。



「…咲姫。ぼうっとして、どうかしたか?」


晩ごはんのとき、わたしは上の空だったようで、千隼くんが心配そうな顔をして覗き込んできた。


「ううん…!なんでもないのっ」