イケメン総長は、姫を一途に護りたい

きっと体は辛いはずなのに、そんな表情は一切表には出さずに、そのすべてに受け答えしていた。


だけど、人がいなくなったら、足がふらついて…。


1人にさせるのは不安だったから、わたしは二階堂さんを部屋まで送ることにした。



「…こんなところまで付き合わせて、本当に申し訳ない」

「気にしないでください。それに、あんなフラフラな状態の二階堂さんを放っておけません」

「でも、確かに…楡野さんがいてくれて、助かったよ」


力なく微笑む二階堂さんを連れて、二階堂さんの部屋である【310】と書かれた部屋の前までやってきた。


二階堂さんのことは心配だけど、あとは同じ部屋の人が面倒を見てくれるはず。


と、思いきや――。


なぜかこの部屋は、わたしと千隼くんの202の部屋と間取りが違う…。