イケメン総長は、姫を一途に護りたい

少しすると、乱れていた二階堂さんの呼吸が徐々に安定してきた。

顔色も、ずいぶんとよくなった。


「…驚かせてしまって、すまなかった」


さっきまでは、息をすることすら辛そうだった二階堂さんが、話せるまでに回復した。


わたしは二階堂さんの体を支えながら、生徒会室のソファへ座らせた。


「…二階堂さん。体調が悪いのなら、病院に行ったほうが…」

「心配してくれて、ありがとう。…でもこれは、持病なんだ」

「…持病?」


生まれつき体の弱かった二階堂さんは、持病を持っているんだそう。

季節の変わり目や、今日みたいな湿度が高い夏場に症状が現れるのだと。


しかし、ここ数年はあまり症状が出なかった。

出ても、少し咳き込むくらいの軽いもの。


それがさっき、急に重い症状が現れたのだという。