イケメン総長は、姫を一途に護りたい

「二階堂さん、…大丈夫ですか!?」

「大丈――…ゴホッゴホッ!!」


全然、大丈夫そうなんかじゃないっ…。


ゼェゼェと乱れた息遣い。

胸を抑えて、苦しそうな表情。


二階堂さんの体調の急変に、わたしはただ慌てふためくだけだった。


床に倒れ込んだ二階堂さんが、必死になにかをわたしに伝えようと、指をさしている。


目を向けると、そこにあったのは二階堂さんのカバン。

これがなんの役に立つのかわからないけど、とにかくわたしは二階堂さんのカバンを取りに行った。



「…これでいいですか!?」


わたしの問いに何度も頷く二階堂さんは、震える手でカバンの中を探る。

そして取り出したのは、プラスチックでできた小さなケース。


その中からカプセル型の薬を1粒取り出すと、それを口の中へ放り込んだ。