イケメン総長は、姫を一途に護りたい

ふと二階堂さんは、ボールペンを机の上に置く。


「それに、『すごい』のは楡野さんだよ」

「えっ…?わたし…ですか?」

「ああ。だって、こんな男ばかりの学校に、1人で転校してきたんだから」


この学校に女の子がいないと知ったのは、転校してから。

でも、本当にいやだったら、お父さんに言って辞めさせてもらうこともできた。


もちろん、校内唯一の女の子であるわたしの物珍しさに、迫ってくる男の子は多かった。

だけど、そんな中でもわたしが安心して学校生活を送れたのは――。


「千隼くんが、そばにいてくれたからです」


いつもわたしのことを気にかけてくれて、常に守ってくれる千隼くんのおかげだ。



千隼くんは、昔の幼なじみであること。

慧流座の初代総長であるお父さんに頼まれて、わたしのそばにいてくれていること。