イケメン総長は、姫を一途に護りたい

きっと大変な仕事のはずなのに、いつも爽やかな顔をして物事をこなしているように見える。


勉強もできて、運動もできて。

しかも、亜麗朱の総長まで務めている。


『完全無欠』とは、まさに二階堂さんのような人のことを言うのではないだろうか。



ぼんやりと二階堂さんを眺めながら、そんなことを考えていたら、わたしの視線に気づいた二階堂さんが顔を向ける。


「…僕の顔に、なにかついてるかい?」

「い…いえ!二階堂さんって、すごいなぁって思っていただけでっ…」

「僕が、…すごい?」

「はいっ。だって、なんでもできて、生徒会長で、亜麗朱の総長で」

「そんなの、なにもすごくないよ。それに緒方だって、生徒会長じゃないだけで、あとは僕と変わらないじゃないか」


確かに千隼くんも、勉強はできるし、運動神経も抜群だ。