イケメン総長は、姫を一途に護りたい

「ああ。片付けたら、すぐに戻ってくるからっ」

「うん、待ってる!」


千隼くんは、わたしに頷く。

そして、すぐに二階堂さんに鋭い視線を送った。


「わかってると思うが、二階堂。俺がいねぇ間に咲姫になにかしたら、ただじゃすまさねぇからなっ」

「そんなことするわけないだろ。それよりも、早く向かったほうがいいんじゃないか?」

「…総長、早く!!」


千隼くんは下唇を噛みしめながら、呼びにきた男の子といっしょに生徒会室から出て行った。


それを見届けた二階堂さんは、握っていたボールペンを器用にクルリと回した。


「楡野さん、再開しようか」

「はい!」



パンフレットの撮影は、1週間後に行われることとなった。


パンフレットに関することだけでなく、校内のこと、在校生のこと、その他学校に関するすべての事柄を取り仕切っているのは、生徒会長である二階堂さん。