イケメン総長は、姫を一途に護りたい

そのたびに、放課後に生徒会室に呼び出される。


そこへは、必ず千隼くんもついてきてくれた。



――そして、あっという間に夏休みに突入する。


パンフレットの写真撮影は、校内の生徒の出入りが少ない夏休みに計画されている。

撮影までもう間近ということで、最近は生徒会室での打ち合わせも多くなってきていた。


そんなわたしに、今日も千隼くんは同行してくれる。



「…緒方。またきたのかっ」

「俺がいたら、なんかまずいことでもあるのか?」

「まぁ、べつにないが…。それじゃあ、今日もよろしくね、楡野さん」

「はいっ」


わたしは、『生徒会長』としての二階堂さんと打ち合わせをしているつもりなのだけど…。

どうやら千隼くんは、そうとは思っていないらしい。


千隼くんは、完全に『亜麗朱の総長』を前にしているという戦闘準備態勢。