イケメン総長は、姫を一途に護りたい

「千隼くんは…いや?わたしが、パンフレットに載るの」

「いやか、いやじゃないかで言ったら…。いやに決まってんだろ」

「…どうして?」

「だって、どこのだれかも知らないヤツに、咲姫のことを見られるなんて…。彼氏の立場からしたら、なんか複雑だろ」


“彼氏の立場”で言ってくれて、ヤキモチを焼いている千隼くんが、どこかかわいく思えてしまう。


「…でも、女が入学することには俺も賛成だ。この学校の野郎共は、女に飢えすぎだからな」


千隼くんの言うとおり。


皇蘭中学には、かっこいい男の子たちがたくさんいる。

もし女の子が増えたら、たくさんカップルができることだろう。


そうすれば、毎日の学校生活がさらに楽しくなるに違いない。


すぐそばに、“彼氏”の千隼くんがいる今のわたしがそうなのだから。