イケメン総長は、姫を一途に護りたい

「もう、用は済んだだろ?」

「キミも相変わらずだね。楡野さんがそばにいて、ちょっとは丸くなったかと思ったけど」

「うるせぇ」


二階堂さんは、千隼くんの睨みを慣れたように受け流すと、教室から出て行った。


千隼くんに睨まれれば、普通は怯えて尻尾を巻いてしまう。


だけど、さすがは亜麗朱の総長。

まるで、千隼くんを鼻で笑っているかのような素振りだった。



「咲姫。今日、二階堂が頼んできたこと…。いやだったら、断ってもいいんだからな?」


寮の部屋で、千隼くんはベッドに腰掛けながら、ロフトにいるわたしに声をかけた。


「べつにわたし、いやってわけじゃないよ?この学校のためになったら、わたしもうれしいしっ」

「…まぁ、咲姫がそう言うならいいんだけど」


と言う千隼くんだけど、内心は納得していないように見える。