二階堂さんは、わたしよりも1つ上の3年生。

教室のフロアが違うから、どうりであまり見かけたことがなかったわけだ。


納得したけど、注目するのはそこじゃなくて――。


『亜麗朱の総長』で、この学校の『生徒会長』って…。

その肩書き…最強すぎませんか?



「…で、こんなところになにしにきたんだよ?」


千隼くんが、二階堂さんを睨みつける。


「今日は亜麗朱の総長としてではなく、生徒会長として出向いた。残念ながら、キミに用はないから下がっていてもらえるか?僕が話したいのは、楡野さんだ」

「わたし…ですか?」


二階堂さんの話を聞くと、どうやらわたしに協力してほしいことがあるんだとか。


それは、来年度の皇蘭中学の学校案内のパンフレットに、モデルとして出てほしいということだった。