わたしが、皇蘭中学に転校して3ヶ月が過ぎた。


男の子だらけのこの学校にも慣れ、今では楽しく学校生活と寮生活を送っている。


もうすぐ、待ちに待った夏休みだ。


しかし…。

――嵐は、突然やってきた。



お昼休み。

千隼くんと窓際で話していると、急に教室内がざわついた。


何事かと思って目を向けると、教室の入口に見かけない人の姿が見えた。


千隼くんと同じくらいの180センチ近くある高身長の整った顔。

プラチナブロンドに染め上げられた、明るい金髪。

そして、第2ボタンまで開けたシャツの胸元には、ゴールドのネックレスが見え隠れしている。


…あんな人、この階にいたら絶対気づくはずなのにな。


そんなことを思っていると――。


「キミが、楡野咲姫だね?」


なんと、その人がわたしの前にやってきた…!