イケメン総長は、姫を一途に護りたい

「うん。それで、チャラな」


千隼くんはニッと笑うと、わたしに腕につかまるように促した。

遠慮気味ながらも、わたしはそっと千隼くんの腕に手を伸ばした。


腕を組んで2人並んで歩く姿は、だれがどう見たってカップルだ。


『彼女宣言』をされてからは、千隼くんはわたしを本当の彼女のように大事にしてくれる。


…でもそれは、わたしを守るためのただの“フリ”。


初めは、それでもいいと思っていた。


だけど、ずっと千隼くんといっしょにいて、千隼くんに大事にされるたびに思ってしまう。


…本当の彼女になりたいと。


だから、どんどんわがままになってしまう自分が――。

…いやだ。



次の日から、わたしは千隼くんに買ってもらった服を着て登校した。


わたしがこれまでとは服の系統をガラリと変えたからか、みんな驚いた顔をして見ていた。