イケメン総長は、姫を一途に護りたい

ボーイッシュな服を着せれば、わたしは目立たなくなるだろうという千隼くんの考えは、大誤算。

さらに千隼くんは、頭を抱えていた。


「でも…強いて言うなら、さっきよりもまだこっちの服のほうがマシか」


千隼くんはわたしの試着した服と、その他何着かのレディース服を取ると、レジへ持っていった。


そして、勝手にお会計を済ませてしまっていた…!


「…千隼くん!わたしの服だったんだから、それくらいわたしが払ったのに…!」

「いいって。俺が無理やり連れてきて、勝手に選んだんだから。それに、俺の服買いにきたついでだし」
 

そう言って、千隼くんはわたしの分のショップ袋も肩にかけた。


「でも、せめていくらかは…」

「じゃあさ、代わりにあとで缶コーヒー買って」

「缶コーヒー?それだけ…?」