イケメン総長は、姫を一途に護りたい

「千隼くん、どうかなっ…」


試着室のカーテンをゆっくりと開ける。

自信なさげに立つわたしに、千隼くんは視線を送る。


絶対、「似合ってない」って言われるに決まってる。


「…やばい。どうしよう」


そう呟くと、千隼くんは頭を抱えてしまった。


やっぱり、似合ってなかったんだっ…。


「…すぐに着替えるねっ」


と言って、カーテンを閉めようとしたわたしの手を…千隼くんが止めた。


「他の男の注目にならないように、この服屋へ連れてきたっていうのに…。こういう服も、似合いすぎてて困るんだけど」


てっきり、わたしには似合っていないものとばかり思っていたのに。

千隼くんは、顔を赤らめながら頭を悩ませていた。


「…くそっ。俺の好きなブランドの服着てるから、よけいにかわいく見えて仕方ねぇ…」