イケメン総長は、姫を一途に護りたい

「ここだっ」


千隼くんが足を止めた場所。

そこは、黒系統の服しか置いていないようなお店だった。


見たことのあるブランドのロゴマークだと思ったら、千隼くんが着ているシャツやスウェットにも描かれていたのを思い出した。


千隼くんが着ているようなシンプルな服も多いけど、物によってはヒョウ柄やトゲドゲがついていたり――。

わたしにとっては、未知の世界だ…。



「咲姫、これ試着してみて」


千隼くんは適当に服を手に取ると、わたしに手渡した。


言われた通りに着替えてみたけど…。

千隼くんが用意したのは、グレーのオーバーサイズのパーカーに、サイドに白のラインが入った黒のレギンス。


こんなスポーティーでボーイッシュな服は着たことがなかったから、なんだか自分じゃないみたいで恥ずかしい。