イケメン総長は、姫を一途に護りたい

確かに、学ランを着崩した、筋肉質な男の人がくるような場所ではない。

店内にいるカップルの男の子だって、ゆるっとした私服で、子犬系男子って感じ。


千隼くんとは系統が違う。


でも、そんなことは気にしなければいいだけ。


「千隼くんって慧流座の総長なのに、こんなお店もこわくて入れないの?」


いたずらっぽく、そう言ってみた。

すると、千隼くんの耳がピクリと反応した。


「その言葉…。聞き捨てならねぇな」


まるで、得意な喧嘩を吹っかけられたかのように、千隼くんの目の色が変わった。


「咲姫のその挑発、乗ってやるよ」


わたしの頭をくしゃくしゃに撫でると、千隼くんはいっしょにお店に入ってくれた。



何着か服を選び、試着室に入る。

そして、千隼くんの前で、ファッションショーが始まる。