イケメン総長は、姫を一途に護りたい

しかも、なんだか千隼くん…怒ってる!

食堂に向かう前と、明らかに雰囲気が違う。


「…なぁ、咲姫。その服…、どうにかならない?」

「えっ…、服…?」


わたしは、姿見の前で確認する。


今日の私服は、クリーム色の花柄のマキシ丈ワンピースだ。

お母さんが退院したときに、いっしょに買い物に行ったときに買ってもらった、お気に入りのワンピース。


これの…なにがダメなのだろうか。


「もしかして千隼くん、…ワンピース自体きらいだった?」

「…いや、どちらかと言うと好きだけど」


と答えた千隼くんが、「…俺、なに言ってんだよ」と呟いていた。


「それじゃあ…。ロングじゃなくて、もう少し短い丈のワンピースのほうがよかったかな…!?」

「却下。…っていうか、そういうことじゃなくて」