イケメン総長は、姫を一途に護りたい

朝ごはんに向かう千隼くんを待たせるのも悪いから、先に行ってもらうことにした。


わたしの制服は、まだ届いていない。

だから、今日も私服を選ぶ。



「…千隼くん!ごめん、おまたせ!」


食堂の端のほうの席に座っている千隼くんを見つけて駆け寄る。


周りの男の子たちは、振り返ってわたしを見てくる。


「学ランだらけの中でわたしだけが私服だと、やっぱり浮いて見えちゃうよねっ」


でも、そういう視線も昨日で慣れた。


だから、千隼くんといっしょに朝ごはんを食べようとしたら――。


「…咲姫っ。ちょっと今から部屋に戻るぞ」

「え…?…えぇ!?」


なぜか、千隼くんに手を引かれた。


…なんで?

どうして…!?


わたし…なにかしたっ!?



わけもわからないまま、部屋に連れ戻される。