ただ、ドライヤーを持ってくるのを忘れただけで。


それなのに、こんなにも千隼くんはわたしにドキドキしちゃうの…?


「早く乾かさねぇと、風邪引くぞ」


そう言って、千隼くんは倒れた拍子に首から落ちたタオルをわたしの頭の上へ被せた。


「う…うんっ。すぐに乾かすね」


わたしはそそくさとロフトへ戻ると、千隼くんに言われた通りに、ドライヤーで髪を乾かした。



わたしのほうこそ、ドキドキしたっ…。

…千隼くんに、押し倒されたとき。


千隼くんの言葉ひとつひとつに、心臓が破裂するかと思うくらい苦しかった。


初日から、こんなにドキドキしっぱなしで…。

そういった意味で、これから先、千隼くんとの同居生活をやっていけるか…不安だよ。



次の日。


わたしは、さっそく寝坊…!

理由は、昨日の千隼くんのことを思い出したら、なかなか眠れなかったから。