まるで、飼い主に叱られて、耳を垂らしてしょんぼりしている子犬のよう。


「…俺、明日からは大浴場に行くようにするから!今日はちょっと、時間が間に合わなかっただけでっ…」


どうやら、大浴場は21時までなんだそう。


「そんなに、気を遣わないで!ここは、千隼くんの部屋でもあるんだから、千隼くんのしたいようにすればい――」


と言いかけて、わたしはパジャマのスボンの裾を思いきり踏んでしまった。

そして、大きくバランスを崩す。


わたしのお風呂セットは宙を舞い、あっ!と思ったときには、千隼くんの顔が目の前にあった。


そのまま、わたしは千隼くんを押し倒すような形で、千隼くんのベッドにダイブ…。


「…いたた。ご…ごめん!わざとじゃなくてっ…」

「俺は、大丈夫。咲姫は?ケガない?」