唯一の救いとしては、シャワー後の千隼くんが、先にスウェットの下を履いていてくれたこと。


「もしかして、咲姫もシャワーだった?…ごめん、俺が先に入っちゃって」

「いっ、いいの…!それは!気にしないでっ」


首にタオルをかけたまま、それでも上の服を着ないで出てきた千隼くんと…顔を合わせられない。


見ると、上の服は、ベッドの上に脱ぎ捨てられていた。


「じゃ…じゃあ、シャワー浴びてくるね…!」


逃げるように、シャワー室に飛び込んだ。


驚いて息をするのも忘れていたから、乱れた呼吸をさっき千隼くんがいた脱衣所で整える。


男の子と同じ部屋で暮らすって――。

…こういうことなんだ。


わたしは、カーテンで仕切れるから着替えも問題ないと思っていたけど、男の子はそもそもそんなことすら気にしないんだ。