イケメン総長は、姫を一途に護りたい

なにかを考えているようだ。


「それじゃあ――」


そう小さくつぶやいた千隼くんが、わたしの右肩に手を置いた。

そして、そのまま抱き寄せられる。


「今日から、咲姫を俺の彼女にする」


頭の上から、そんな声が聞こえた。


そっか。

わたしを、千隼くんの彼女に――。


って、……えっ?


「えええぇぇぇぇぇぇぇ…!?」


驚いて、千隼くんの顔を見上げる。


「…千隼くん、今のどういうこと?」

「どういうことって、そういうこと」

「で…でも、わたしが千隼くんの彼女って…」

「そうしたほうが、いろいろと動きやすいだろ?慧流座のヤツには説明がつくし、学校でも『俺の彼女』って言っておいたほうが、今日みたいに男も群がってこないだろうし」


確かに、今日の混雑具合はすごかった。