イケメン総長は、姫を一途に護りたい

そう言って、千隼くんはカオルくんの肩を叩いた。


「でも、総長の彼女じゃないなら、オレが咲姫さんもらっちゃってもいいっすか?」

「んなの、許可するわけねぇだろ」

「だって、だれかの彼女なら、オレだって手は出しませんけど〜。咲姫さんカワイイから、気になっちゃうんすよ〜」


メインホールに戻っても、千隼くんに食い下がるヒロトくん。


…どうやらヒロトくんは、べつにわたしのことが本気で好きというわけではないらしい。


ただ、だれと付き合っているわけでもないから、フリーの女の子にはとりあえず手を出したい。

――という、ヒロトくんの悪いクセのようなもの。


「それに咲姫さん、学校でもモテるでしょ?オレじゃなくても1年のヤツら、もうすでに狙ってましたよっ」


ヒロトくんの話を聞いて、千隼くんは「そうだな…」と呟きながら、顎に手を当てる。