イケメン総長は、姫を一途に護りたい

「咲姫の前では猫被ってただけで、ヒロトって実はこんなんだから、ほんと気をつけろよ。隙見せたら、マジでキスされるぞっ」

「キ…キス!?」


とっさに口元を両手で隠す。

そんなわたしを見て、ヒロトくんは無邪気に笑っていた。


「咲姫さん、そんなに構えなくても大丈夫っすよ〜。キスって、あいさつみたいなものっすから!」


そういうところが、慧流座1のプレイボーイだと言われる所以だろう。


かわいい弟みたいだと思っていたヒロトくんのイメージが、一瞬にして崩れたっ…。

だけど、別け隔てなくまるでネコのように甘えてくるから、なぜか憎めない。



千隼くんは、わたしとヒロトくんを連れてメインホールへ戻った。


「…千隼。間に合ったか?」


すぐに、カオルくんが駆け寄ってきた。


「ああ、お前のおかげだよ。サンキューな」