イケメン総長は、姫を一途に護りたい

隙あらば、いろんな女の子に手を出しちゃうらしい。


甘いマスクの裏には、まさかそんなおそろしい素顔があったなんて…。



「なんで総長、ここがわかったんすか?」


口を尖らせて、つまらなさそうにそう尋ねるヒロトくん。


「カオルが教えてくれたんだよ。ヒロトがまた、悪そうな顔をしてたって」

「さっすがカオルさん!カオルさんには見抜かれてたか〜」


ヒロトくんはあっぱれというふうに、のんきに小さく拍手をしている。


「…ったく。俺がちょっと目を離した隙に、咲姫を連れ出しやがって」

「総長、ごめんなさい〜。だって、咲姫さんカワイイでしょ?男として、放っておいたら失礼じゃないっすかっ」


ヒロトくんはかわいげに舌をペロッと出して、まるで悪気がないよう。


ヒロトくんの女癖の悪さには重々承知しているのか、千隼くんは呆れたようにため息をつく。