イケメン総長は、姫を一途に護りたい

なんと、千隼くんのゲンコツは、隣にいたヒロトくんの頭の上に落ちたのだった。


さっきの千隼くんの『お前、なにしてんだよ』の『お前』は、ヒロトくんに向けられたものだった。


「なにするんすか、総長〜…」

「それはこっちのセリフだよ。なに勝手に、咲姫を人気のない場所に連れ込んでんだよ」


千隼くんのその言葉に、ここにきてからのヒロトくんへの疑念が確信に変わった。


やっぱりわたしは、意図的にヒロトくんにこの部屋に案内されたようだ。


「咲姫、なにもされてないか?」

「…うんっ。わたしは大丈夫だよ」


千隼くんは、ホッとしたような表情を見せる。



話を聞くと、小動物のようなかわいい顔をしたヒロトくんは――。

なんと、慧流座1のプレイボーイだった…!


まだ初恋も知らないような純粋無垢な見た目だけど、実は女の子だーい好き。