真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜

「あれは、NASAが火星から持ち帰ったただの石。もっとも、私も加わっておりました、地中エネルギー開発には、大変有効的な資源でございましたけれど・・・。開発が中止になった今では、何の役にも立たない茶色の塊でございます」

(・・・茶色・・・だったかな?)

メイが、記憶をたどる。


「失礼しま~す」

場内警備員の交代要員が、挨拶に入って来た。

「また、よろしくお願いします」

スプリング・フェスティバルにもいた警備員であった。

「遅れてすいません。台場へ渡る橋の向うで、路肩に何台も車を止めてる外国人がいて、注意したら、少しもめてしまって・・・あれれ?」

さっきまでヴェロニカが見ていたモニターに、警備員の目が止まった。

「あの人、死んでしまったんですか。可愛そうに」

モニターには、フランス防衛庁長官の写真が出ていた。

「あなた、長官をなぜ知ってらっしゃるの?」

鼻先まで近づくヴェロニカに、たじろぐ警備員。

「い、いや💦 春のお祭り会場で、ラブさんの歌を録音してたんで、注意したんですよ。防衛庁?長官?そんな偉い人だったんですか💦」

「アイ、長官の訪日記録はございますか」

「公的なものはございませんが、個人的にお見えになっております」

「おいおいアイ、ヴェロニカが伝染してるぜ」

「・・・」

「お忍びで来て、息子さんのために、ラブの歌を・・・・・・アイ⁉️」

「はい、ヴェロニカ様。繋がりましたね」