真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜

沈黙をアイが破った。

「今、消防庁検察局から、メイの部屋の分析結果が届きました」

ヴェロニカが顔を上げる。

「爆発源は、メイ様のクローゼットの様です」

そこへ、メイが入って来る。

「メイ❗️あなた寝室のクローゼットに何を入れていらしたの?」

「え?え?なに・・・?何なのよ💦。え~と・・・あのクローゼットは、普段使ってないから・・・」

二人の視線に耐えられず、入り口の方を振り向いたメイの目が、トイレから戻って来た早苗の目と合った。

「・・・⁉️そうだわ!忘れてた。しまったぁ・・・」

「なにが入ってたんだ?」

「あの中には、高知から帰る時に着ていたジャケットがかけてあって・・・。ポケットに、美樹ちゃんが持っていた石が入ったままだったわ。後で返そうと思ってて、あんなことに・・・」

「石って・・・もしかして、入場券の代わりに、子供達に送られた石のことかしら?」

「わかんないけど、もらったっていってたわ。あの石が爆弾?」

一瞬、謎が解けたかの様な雰囲気を、ヴェロニカが遮った。

「いいえ、その石なら、私もさっき見ましたわ」


ラブと分かれてこの部屋へ戻る前に、ヴェロニカは、泣いている一人の女の子に会った。

「どうしたの?」

「お母さんがいない」

迷子であった。

「泣かないで、お姉さんが一緒にさがしてさしあげますわ」

こんな小さな子にまで、ご丁寧である。
母親はすぐに見つかった。

「お母さーん!」

駆けて行く女の子のポケットから、小さな袋が落ちた。

ヴェロニカはそれを拾い、女の子に渡した。

「ありがとう。おばちゃん」

「お・・・おば・・・💧」

ヴェロニカのプライドが、粉々に砕け散った瞬間であった。

「これはね、空から来た宝石なの」

少女が袋から出したものは、ヴェロニカにとっては、見慣れたものであった。