真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜

集中管理室では、「特別招待客」の面々の裏で、T2とアイが、全ての監視情報に目を光らせていた。

ヴェロニカは、今回の一連の事件に関連するデータを見直していた。

しかし今のところ、何の収穫も得られてはいなかったのである。

ラブのステージは、残すところ2曲となっていた。

息抜きのつもりで、ティークが最後に送ってきた、ヘブン基地の画像を見てみる。

実は、ティークのことがお気に入りであり、その顔に会いたかっただけであるが…。

(私の王子様ぁ・・・何か教えてくださいませんかぁ・・・はぁ~あ、・・・んっ⁉️)

「アイ!この映像を拡大して」

モニターに画像が拡大される。

「おいおい、やつのことがお気に入りなのはいいけど、それどころじゃねぇだろ」

T2がちゃちゃを入れる。

「これよ❗️」

ヴェロニカが指差す先、破壊された部屋の奥に、変わった形をしたものが転がっていた。

「これは、チェルージと言って、古代楽器の一つです。最近見つかったナスカの地上絵にもございましたわ」

「それがどうかしたのか?」

「古典ミュージシャンと呼ばれていたミカエル・シャーンは、作曲する時、よくチェルージをお使いになっていたの」

「まさか、彼がHEAVENの一味だったなんて言わねぇよな?」

「HEAVENならば、殺されることはありませんね」

「そうよアイ。恐らく、目の見えない彼は、騙されてあの場所へ連れて行かれ、あそこで、あの歌をお作りになったんでございますわ。創作は、誰も知る人のいない場所で、一人で行う彼でしたから、周りも本人も、違和感はなかったものと思います」

「で、何で奴らがあの歌を?たまには慈善的なことに手を貸そうってか?」

「そこなんですが・・・」

その理由を考えるが…誰も答えを見い出せず、黙り込んだ。