真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜

~ラブのステージ~

開幕前、ラブは、演奏者全員と握手をし、その耳元で何かを囁いた。

そして、メイを呼んだ。

「ほんとに律義ね~ラブって。後は心配しないでしっかり歌って。私達が見張ってるから大丈夫よ。グッド・ラ~ック!」



幕が開いた。

全員が、このステージを待っていたと言っても、過言ではなかった。

場内が、割れんばかりの拍手と声援に包まれる。


「お・ま・た・せ❣️しばらくはラブで楽しんでってね~。まず一曲目は、「LOVE」♪」

軽快な音楽にのって、ステージ狭しと踊りながら歌うラブ。

その声は春風の様に柔らかく、初夏の風の様に優しかった。

「なんか・・・吹っ切れてる。これは・・・いつものラブだ」

招待席へ向かいながら、メイも笑顔になる。

「ミズリー少佐ですか?」

「ん?・・・ああ、そうだが。何か?」

「これ、ラブがお礼にと。彼女、こういうところ、バカみたいに律儀でして・・・。まぁ、たいしたものじゃないだろうから、イベントが終わったら見て、気に入らなきゃポイしといてくださいな。では!お邪魔しました」

一気にそれだけ言うと、メイはそそくさと、帰って言った。