「全員伏せろ!」

ティークの号令で、全員が地に伏せ、五感を研ぎすます。

その瞬間、周囲の地面が開き、銃機を搭載したマシンが現れた。

「ダダダダダッ!ダダダッ!」

ものすごい銃撃が、彼らを襲う。

「隊長、ここを絶対に動くな」

そう言ってティークは、超人的なスピードで、中心の廃屋へと駆けた。

今回の彼は、真っ黒な戦闘スーツを着用し、頭から顔までマスクを装着している。

エージェント達は、確実に、マシンの銃口を狙い、一つ一つ機銃を破壊していった。

しかし、身を隠す場所がとぼしく、この銃弾をかわすには限界があった。

ティークが廃屋にたどり着き、見張りを切り捨て、中へと入ろうとする。

「ティーク、ダメ⁉️」

通信機からのラブの声に、軽く笑みを浮かべ、ためらわずに中へ入る。

「頼むぜ、T2」


「ズドドーンッッ💥💥」

廃屋が爆発し、一瞬にして真っ赤な炎に包まれた。

「ティーク⁉️」

隊長が振り向き、叫ぶ。



その爆発の地下10メートル。

モニターを見ながら、機銃を操作する男。
戦場カメラマン奥田の撮った写真にいた、あの男である。

「ばかなやつらだ。2度までも罠にかかるとはな」

その後ろで、黒い影が動いた。

「失礼なことを言うな。オレは初めてだ。それに、罠とは何のことだ? もっと楽しませてくれる仕掛けでもあるのか?」

ティークが、煙の立ち昇る強化マスクを脱いだ。

全身に纏っていたのは、T2とヴェロニカが開発した、耐熱強化繊維の特殊スーツである。

短時間であれば、数千度の熱を遮断できる。

しかし、爆発の衝撃に耐え、マッハで飛んでくるあらゆるものをかわしたのは、彼の強靭な肉体と、反射神経であった。

「お、お前・・・不死身か?」

「さぁな。死んだことがないから、それはわからん。あきらめて、テロの真相を話してもらおうか」

「ヒュン!」

ティークが、刀を装置へ投げつける。



表では、身を隠す土地の起伏が銃弾により削られ、もう限界であった。

「このままでは殺られる。全員縦に並んで、一番近いあの機銃に突撃する。なんとしても、あそこから中へ入るんだ。前を行くものは、死ぬまで盾になれ。まずは、私が先頭に行くから続け❗️」

全員の意思は、一瞬にして一致した。
それしかないのである。

「いくぞ❗️」

隊長が大声で飛び出した時。

全ての機銃が停止した。