~3年後~

NASAアリゾナ基地。


それは、宇宙空間の遥か彼方から現れた、観測できないほどの小さな点であった。

しかしその物体は、NASAが打ち上げた、惑星探査艇と衝突した。

探査艇は破壊されたが、その物体は進路を変えることもなく、この地球へと向かっていたのである。


「マーカス所長、間もなく大気圏へ突入します」

「通常なら、燃え尽きてしまうのだが・・・、どうやら期待できない様だな」

(いったい、何なんだ・・・)

所長の胸に、大きな不安がよぎる。

「落下予測地点は?」

「アラスカの東部と推定しますが、小さくて不安定なため、詳細は予測不能です」

「すぐに回収できる様、待機中の空軍に、随時座標データを転送しろ」


世界は、新しい年を迎え様としている頃。

これが、世界の破滅へと繋がる、ほんの始まりとは、誰一人予想もできなかったのである。