「クッソー…あいつめ❗️」

途中で、メイが立ち止まった。

「出口は塞がれているわ。このままじゃ袋のネズミよ。何とかして、あいつを食い止めないと」

メイが、通路を補強している木の柱を見る。

「ここを・・・崩しましょ。手伝って❗️」

二人は、必死で柱を蹴った。

「この、このこのこの!壊れろ❗️」

足から血が飛び散る。

「メイさん⁉️」

下の方から、『暗闇』がゆっくりと現れた。

「いい!せーのッ!フンッ❗️」

二人合わせて、思いっきり柱を蹴った。

「バキッ!ガラガラガラッ…」

「やった❗️」

「メイ、危ない⁉️」

彼がメイの体を突き飛ばす。

「ぐあぁー❗️」

「そんな・・・⁉️」

メイが振り向いた時、彼の下半身は、完全に瓦礫《がれき》に埋まっていた。

「今助けるわ❗️」

彼の手を懸命に引っ張る。
踏ん張る足から、血がドクドクと流れ出る。

彼の体はビクともしなかった。

「メイさん。・・・ムリだ。僕はいいから、早く逃げて」

「そんなこと…あぁっ⁉️」

崩れた土砂から、ジワジワと『暗闇』が染み出てきていた。

「グォッ❗️メイさん・・・早く!・・・行って❗️」

彼の体を、徐々に『暗闇』が包み始めていた。

「クッソー❗️何なのよお前❗️❗️」

メイの絶望的な怒りが、遺跡に響き渡った。