その時。

「ギュォーン❗️」

要塞の中に異常な音が鳴り響いた。


「将軍、マイクの頭脳に仕込んだ、通信システムから、例の信号が届きました」

「フフ。あの巨人は良く働いてくれたよ」


要塞全体が、異様なエネルギーに包まれる。

「ヴェロニカ、さあ、我々人類の罪を償う時がやってきたよ」

「ダメ⁉️そんなこと・・・、そんなこと、この星は望んでいない⁉️」


ヴェロニカの叫び虚しく、『要塞』は、完全に目覚めたのである。




~ナスカ~

暗闇の中で、声がした。

「ゴホッ、ゴホッ。いって~なもう。いったい何なのよ!」

爆撃で入り口を閉ざされたものの、丈夫な遺跡の内部は無事であった。

意識を取り戻したメイが、自分にのしかかっているものを
どけようともがく。

ポケットから、携帯発光灯を
取り出し、点ける。

「お・・・小田さん…うそっ⁉️しっかりして、小田さん❗️」

メイの上には、彼女をかばった小田武志がいた。

小田の体を抱きかかえながら、起き上がる。
手に、いやな感触があった。

「えっ?」

灯りに照らした手には、ベットリと血がついていた。

「そんな❗️小田さん。シッカリ!」

小田の背中には、落ちてきた鉄筋の棒が突き刺さっていた。

「小田さん。お願い目を開けて❗️」

その声に、小田がかすかに目を開ける。

「メ、メイさん。君は・・・大丈夫か?けが・・・は・・・ないか?」

「バカ!なに他人の心配してんのよ❗️私のためにこんな・・・」

涙があふれてきた。

「・・・良かった。それだけ元気なら、大丈夫・・・だね」

「小田さん・・・。大丈夫、絶対私が助けてあげる」

「僕は・・・もう・・・いいんだ。これでやっと・・・」

「バカ❗️良くないわよ❗️彼女と会えるのは100年も先なんでしょ。まだまだ、死んじゃダメよ。死んだら・・・死んだら許さないから❗️」

周りを照らして見回すメイ。

「小田さん。みんなを呼んでくるから、ここで待ってて。すぐに戻ってくるからね」

「ああ・・・気をつけて」

小田を残し、メイは下へと降りて行った。