『…報道されたラブの秘密について、何か知っているのか?』

『…例え相手がパパであっても、話すことはできませんわ。』

『…彼女は運の強い星の元に生まれている。私には、あの紋章がその証《あかし》であるかの様に…』

(そんな・・・)

ラブの目が細まる。


会話が終わって親娘は部屋を出て行った。


「ビデオレターねぇ。再生しっぱなしで、出てっちまったぜ。ヴェロニカのママもやっぱ上品なんだろうな」

「アイ、彼女のメンタル分析は?」

「はい、途中で異常な緊張が見られます」

「紋章…ね」

「はい」

「確かに彼女は、私の額にある王家の紋章を見たわ。でも、誰にも話してないと言ってた…」

「はい。そう話していた時の彼女に、偽装反応は見られませんでした。それは真実です」

「まさか…、ラルフがHEAVEN⁉️』

「予想外の人物が引っ掛かりましたね…ラブ」

「はぁ?引っ掛かったってどういうことだ?」

T2が疑問符を投げたところへ、メイからの着信が入る。



「T2、ラブはまだのんびり休養してんのかなァ~」

「ばっかやろう、それどころじゃねぇんだ!。もとはと言えば、お前があんなオンボロカメラなんか持って行ったからいけねぇんだぞ」

「あら!だって、たまには使わないと、使えなくなるわよって、持たせたのはラブよ!」

「何ィ❗️・・・ラブ、やりやがったな」

T2がニヤっと笑う。

「メイ、元気にやってる?私はもう大丈夫だから、小田さんをバックアップしてあげてね」

「ラブ⁉️復帰してたんだ。良かった~。チャッチャと終わらせて、帰るわね。今ランチタイムに、小田さんと地上を目指してるのよん」



(ラブ様っ⁉️)

(何、アイ?)

(ティークからです……ペルーの基地から、ミサイルが発射されました⁉️)

「えっ❓」

思わず声に出してしまったラブ。

「えっ?ってなに?どうしたのラブ」

(アイ、標的は?)

(・・・・・・ナスカです)

(…っ⁉️)

「メイ❗️外に出ちゃダメ❗️すぐに下へ戻って⁉️」

「えっ?なに?どうしたの、ちゃんと説明してよ。ラ…」

「ズドガーンッ💥💥❗️」

爆音が響いた。

「メ…メイ…。メイ❗️応えてっ!メイ❗️メイィーーっ❗️」

「ラブ…通信不能です」

「そ…そんな…」


その時、再生を続けていた無人のヴェロニカの部屋から、ママの声が聞こえた。