間宮の向こう10メートル。
開いたドアに、老人が立っていた。

銃を握った右手がゆっくりこちらに向く。

「間宮さん!伏せてっ❗️」

「バシュ!」

叫びと同時に、空気を潰した様なサイレンサーの音。


「ラ・・・ラブ・・・さん」

間宮の胸の赤い点が、見る見る広がっていく。

「バシュ!」

何が起こったかを理解する間もなく、頭を打ち抜かれ、間宮の体が崩れ落ちる。

「間宮さん!・・・このヤローー❗️」

戦闘態勢に入るラブに、老人は太い杖を向けた。

「その美貌には悪いが、死んでもらうよ」

引き金を引いた。

「ガガガガガガガッ❗️」

機銃の激しい音が響き、部屋中のものが木っ端微塵に粉砕されて行く。

その銃弾の中を、ラブの体が舞う。

が、さすがにかわすのがやっとである。
何とか大きなデスクの裏へ身を隠すラブ。

機銃を打ち出しながら、ゆっくり近づく老人。
その銃弾が、一瞬途絶えた。

そのスキを逃さず、ラブが飛び出す。

「バシュッ❗️」
(罠か!)

「グッ!」

右肩を撃ち抜かれ、床に転がるラブ。
瞬時に弾を充填した杖が、ラブを狙う。

(クソ!)

『力』を開放しようとしたその時。

「リュウ❗️」

その声に振り向く老人。
入り口に鬼島が立っていた。

「バン、バン、バン❗️」

鬼島の銃が、老人の体を捕らえる。

「ガハッ!」

撃たれてのけぞり、倒れかかる老人。

「ラブ!大丈夫か⁉️」

鬼島が駆け寄ろうする。

「ダメッ❗️」

「バシュ❗️」

(・・・っ!)

鬼島の足が止まった。

腹部に激痛が走る。