テレビでは連日、ラブの功績を称える特番や、特集映像が流されていた。

その一方で、ラブの危険性を討議する番組も組まれ、専門家たちが激論を交わしていた。

釈放を求める運動が世界各地で起こり、報道陣も大忙しであった。

山本は常に、自らが発端となったこの事件の先端にいた。


「外山博士、この光の正体は分かったのでしょうか?」

山本が、超常現象研究家に尋ねる。

「この写真では、何かの形をしている様にも見えますが、不鮮明で、よくわかりません。太古の壁画などには、チャクラと呼ばれる図形を、額に書いたものがあり、その類ではないかと見ています」

「本日、国際科学連盟から提案があった、人体分析の申請が認許されたと聞きました。どういったものでしょうか?」

「はい。人体組織や、化学的な処置によって、実験的に彼女の体の秘密を探るものです」

「そんな・・・、彼女の体を実験台にするということですか?」

「危険になるようなことはしません。十分慎重に行われるものですし、彼女自身が了解したことなのです」

このことは、当然ながら、世界中の猛反発にあった。

実際、科学者たちの興味本位な研究という意味合いも大きかったのである。だが、ラブはそれらを、全て受け入れたのであった。