南米に連なるアンデスの山々。

そのふもとから広がる、広大な大地。

そこには、遥か紀元前に描かれた、巨大な地上絵があった。

ナスカの地上絵である。

地上絵は、乾いた地表に、幅1~2メートル、深さ30センチほどの溝を掘って描かれている。


「あぁ…あれね。何かで見た気がするわ」

「メイ…少しは社会に目を向けてよね~。最近新しい遺跡が見つかってね、今話題のスポットなのよ」

「僕も興味あって、実は…今回の仕事を受けた理由の一つなんです。ごめんなさい」

「おい!タケ。お前、天下のラブ様より、あんな下手くそな絵に惹かれるのか?信じらんねぇ~」

「アハハ。ありがとう、ヒデ様。下手くそとはね…ハハ。面白い人ね」

「ヒデ!黙ってろって」

「あっ…悪ィ。つい」

シュンとする山城に、ラブが微笑む。

「メイ…ダメかな?PV任せられるのはあなたしかいないわ。小田さんを手伝ってあげて」

自分のせいで、美樹を死なせてから、飛行機には二度と乗らないと誓ったメイであった。


「ま…まぁ、そんなに言うなら」

(あら?いやに素直…)

「でも、さっき、ラブは私が守るって言っちゃったし…」

「私はもう大丈夫よ。あなたのおかげで自信ついたし。じゃあお願いね」

「わかったわ、ラブ。でも、「専用機」にしてちょうだい」

「はいはい。おじいちゃん(アメリカ海軍、アボット隊長)にお願いして、VIP専用機を借りるわ」



アイの通信が入る。

(ラブ様、歓迎できないお客様よ)

(来たか…わかったわ。すぐに下りていきます)


「では、小田さん、メイはこう見えて、強くてしっかりしてますから、ヨロシクお願いします」

「ラブ!、どう見えてるって❗️」

「ええ、強いのは、今朝テレビで拝見しましたから」

小田が真顔で言う。

「うっ…」

赤くなって引き下がるメイ。

(あら?メイって、もしかして…)

「山城さんもありがとう。普通にしてくれて」

「え?あぁ、あんなの全っ然平気です。エイリアンだろうが何だろうが、オレはラブ様命!だから」

「おい、失礼だろう!」

「小田さん、いいのよ。ほんとに嬉しかったわ。ありがとう。では、ゆっくりしていってくださいな」


こうして、神秘の国ペルーへ、運命の道が敷かれたのであった。