~帝都病院 現場中継~

炎上する病院の映像が映し出された。


「現場からお伝えします」

悲痛な表情で、リポーターが状況を伝え始める。

「あ、あれは、リサさん・・・」

ラブがつぶやく。

かつては、数々のメインキャスターを勤めていた、山本リサ。

番組「世界の顔」で、ラブを詮索する発言をしたことから、局の体裁上、一旦キャスターを外されたのであった。


「ごらんの通り、まだ帝都病院は炎に包まれており、懸命な消火作業と、救出活動が続いています」

カメラが燃え盛る建物にズームアップする。

逃げ場を失った患者や、職員たちが、窓から身を乗り出して助けを求める。


「ドーンッ💥❗️」

その瞬間、大きな爆発音と共に、窓から炎が噴き出し、煙が画面を覆う。

再び映し出された窓には、人影は一人残らず消えていた。

熱さにたまらず、飛び降りる人々。

火だるまで、飛び出してくる人。

地獄の光景であった。


「・・・ひどい。どうしてこんなことに・・・」

唇を噛み締めるラブ。

そこへ、アイが静かに告げる。

「ラブ、悪い知らせです。帝都病院は、武道館の近くにあり・・・」

「まさか・・・」

「はい、大山さんと神尾さんもあの中に」

武道館で共に戦った神明館のメンバーである。

「そ・・・そんな・・・」

沈黙が部屋を支配した。

「ラブ、諦めちゃいけませんわ。きっと彼らは大丈夫でございます」

そうは言うものの、ヴェロニカも無駄な希望であることが分かっていた。


「しかし・・・、あんな大きな建物が、爆発で完全に燃えるとは、妙だな」

ティークが冷静につぶやく。

「確かに。ナパームの様な爆薬でもないと、あんなに上手くはいかないぜ」

「T2っ⁉️」

ヴェロニカがにらみつける。

「おっと、悪ィ悪ィ」

「T2、アイ、情報を徹底的に分析して」


再び、悪夢の入り口が開き始めていた。