~「子供の日」翌日~


世界イベントは、大成功のもとに終わった。

新聞の号外や、週刊誌の増刊号まで出て、暫くは、世界中が余韻を楽しむことであろう。

しかし、ここ日本では、もう別の生中継に、大勢の人が沸き立っていた。


「ラブ様、デビル・ストーンは全てEARTHが回収しました。合衆国では、大統領自ら先頭に立って、NASAの内部調査を進めるそうです」

「今回も、HEAVENのほんの一部を潰しただけね。いったい、いつまで続くのか・・・」

思いつめた様な顔のラブ。

「ラブ、本当にやるのですね」

「はい。一か八か、最後の勝負をかけるわ。HEAVENの狙いと、私の秘密を分析した、あなたを信じるわ」


「覚悟しましたか・・・。分かりました。終わらせましょう」


秘密の計画に、テレパシーでうなづき合う。


「サバさんが、くれぐれもよろしくと言っていました。今夜の便で、子供達を連れてサラエボへ戻るそうです。ところでラブ様・・・本当に、その格好で?」

「まぁね。座ってるだけでイイって言ってたし。それより、アイ。ティークはまだアメリカに?」

「はい。例の防衛システムの混乱は治まりましたが、ミサイル基地が一つ、解除できない様です」

「そう・・・何か、嫌な感じね。んじゃ!ちょっと行ってくるわ」


ラブは車を降りて、帯をギュっと締めた。