オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜

「何言ってる。昨日倒れたんだぞ?救急車呼ばれたかったか?」

「それは…」

「医務室の医者にも、必ず病院に連れて行くと約束したから、昨日は帰れたんだ」

「すみません。ご迷惑をお掛けしました」

「いや。原因はわかってる。なかなか対処できなくてすまない」

「えっ?椎名部長が謝る事では」

「だから響だ。次言ったらその口を塞ぐぞ」

「ええっ」

「ほら、言ってみろ」

「ひ、ひ、響さん…」

「さんは、いらないが?」

「それは無理です〜」

「まあいい。もっとスムーズに言えるようになるんだな」

「努力します…」

 話をしているうちに、柚の住むマンションに到着した。地下駐車場から地上に出た時には驚いた。オフィスの目の前のタワーマンションだったのだ。会社から見る景色と同じはずだ。

 柚のマンションまでは車だと五分も掛からない。

「ここで待ってるから、準備しに行って来い」

「急いで準備してきます」

「急がなくていい。ここで仕事してるから」

 家を出るときにパソコンを持っているのが不思議だったが、待ち時間に仕事をするつもりだったのか…