オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜

 サッと顔だけ洗い準備を整える。そのまま、椎名部長について、マンションの地下の駐車場に向かった。マンションの造りから柚の住むマンションとは違いかなり高級だとわかる。

 地下駐車場には、期待を裏切らない高級車が並んでいる。

 そして、椎名部長の車は…

 こちらも期待を全く裏切らない真っ黒な高級車。セダンではなく流行りのSUV車なのが少し意外だ。エスコートされ助手席に乗り込む。助手席に乗っていいのか悩む暇もなく乗せられたと言った方がいいのかもしれない。

 運転席に乗り込んだ部長は、カッコ良すぎて思わず凝視してしまう。

「どうした?」

「あっ、いえ」見ていた事がバレて恥ずかしい。

「柚の家まで案内してくれ」

「えっ?」

「その格好でいいなら直接病院に向かうが?」

「えっ?」自分の格好を見て慌てる。シワシワのワンピースにスッピンで、改めて見ると恥ずかしい。

「すみません。自宅にお願いします」

「保険証は?」 

「あっ、自宅です。って言うか、病院に行かなくても、もう何ともないですよ?」